部下に目標設定をしてもらうとき、組織(会社)目標を優先させるのか、それとも個人
目標を優先させるべきか、マネジャーとして迷うところです。
従来の「管理型マネジャー」でしたら何といっても組織目標第一です。社員は組織目標に
合わせて個人目標を設定するだけでした。
しかし「コーチングマネジャー」は違います。組織目標はさておき、まず部下の個人
目標をしっかり聴き取ります。将来どんなことがしたいのか、何に対してモチベーション
が上がるのか、部下社員に向き合ってじっくり耳を傾けます。これは部下の個人的な
価値観ですので「個人軸」と呼んでおきます。
一方で組織(会社)にも目標があり、組織としての仕組みやルール、文化があります。
これを「組織軸」と名付けます。そのうえで「個人軸」と「組織軸」の目標の接点、
「共有ゾーン」を探します。
つまり
Step1,あなたが本当にやりたいことは何か?(個人軸)
Step2,会社があなたに求めることは?(組織軸)
そして
Step3,共通ゾーンを見つける、=組織の成功のために貢献できることは何か?
という手順になります。
このように「個人目標」を優先した方法は従来の上位下達のやり方と比べると時間が
掛る方法かもしれません。しかし時間は掛るものの、部下社員の自発的な行動を引き出
せるという大きなメリットがあります。部下は本気で組織の目標を実現させたいと考えて
行動し始めることでしょう。なぜならそれは自分の個人目標達成に繋がるからです。
目標設定に際してマネジャーは、まず部下に心を開いて不平や不満にも耳を傾けてみて
下さい。部下をサポートして何としても成果を上げさせたい、と願うことです。
部下の目標設定の成否は、マネジャーの姿勢に掛かっているのです。
(参考)「コーチング脳の作り方」宮越大樹著 ぱる出版 2023年